つめたいセロリ やわらかい猫

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アメリカでピアノをひいて生きています

アメリカでの音楽のお仕事#2 − GBギグ(パーティー演奏)について詳しく書いてみた

こんにちは!髙本りなです:)

アメリカの音楽のお仕事シリーズ第2弾をついに書きます!
今回はアメリカならではの演奏のお仕事、「GB(ジービー)」について詳しくご紹介したいと思います。

GBとは

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(バークリー音楽大学公式ウェブサイトより)

GBとはGeneral Business(ジェネラル・ビジネス)の略で、簡単に言うと「なんでも屋さん」みたいな感じです。(一般的には「総務」という意味でも使われる単語ですね)

上の写真の説明文には、「GBミュージシャンはありとあらゆる種類のイベントに呼ばれ、状況に応じたスタイルで演奏するカメレオン的存在です」みたいに書かれています。
主に結婚式のパーティーやクラブでの生演奏のお仕事が多く、GBをやるバンドはパーティーバンド、ウェディングバンド、ショーバンドと呼ばれたりもします。(※「GB」は主に東海岸で使われている通称のようです)

バークリーのお友達のげんさんが書いたこちらの記事にも詳しく書かれています。

rollingstonejapan.com

 (ちなみにこの記事の写真は私が写ってます!笑) 

ミュージシャンへの需要と対価の高さ

上記リンクの記事にもありますが、
アメリカでは「パーティーで生バンドが演奏する」という文化が大変強く根付いています。

なぜでしょうか?

アメリカの人たち、めちゃくちゃ踊るんです。(個人差はあります)

日本で「音楽を流してみんなで踊る」といえば、ダンスミュージックが大音量で流れるクラブ、または盆踊りくらいで、みんなが集まってミュージシャンの生演奏で踊りを楽しむような習慣はほとんど根付いていないのではないかと思います

一方アメリカでは、最近は予算の関係で生バンドの代わりにDJを呼ぶ現場も少しずつ増えてきているようですが
結婚パーティー・会社のパーティー・誕生日・クリスマスなど、パーティーや人々が集まる場には生演奏が欠かせない、という文化があるように感じます

(さすがに踊りはしませんがお葬式でもミュージシャンが雇われることが多々あります)

渡米前、映画などでダンスパーティーのシーンを見て(わ〜異文化〜〜)と思っていましたが、実際GBの仕事をしてみて、想像以上のアメリカ人の踊りっぷりに毎回驚いています。

そんなわけで、GBのお仕事の数がとても多いです。

また、特筆すべきなのはミュージシャンに支払われる対価の高さです。

アメリカは物価も高いしボストンは家賃も嘘のように高いので、こちらでの生活1〜2年目はほんとうに経済面で苦労しましたが、GBの仕事を始めてから一気に生活が楽になりました。
(化粧水を買うお金もなくて水道水を顔につけて肌カッサカサになってた生活から、サプリメントを買うことができるまでになった)

GBに限らず、ミュージシャンに支払われる対価が概して高めなので
職業ミュージシャンの裾野が広く、「音楽だけで食べて行く」ことに対するハードルが日本と比べると高くないと感じます。 

みんなを踊らせるのがお仕事

GBバンドの仕事で一番大事なことは「オーディエンスをとにかく踊らせること」なので、パーティーに参加している人たちがダンスフロアに来てくれないと大変です

バンドによって様々なやり方があると思いますが、私が一年間所属したバンドでは、バンドリーダーが逐一ダンスフロアの様子を見ながら次に演奏する曲をその場で決めるという形を取っていました

曲のリストは「TOP 40」と呼ばれるヒットチャート上位のいわゆる流行ってる曲や往年の名曲などで構成されていて、ジャンルもポップス・ファンク・R&B・ヒップホップ・ジャズなど多岐に渡り、お客さんの好みを考えながらリーダーが曲を決めていきます。

現場を重ねるごとにお客さんが大合唱して踊り狂う鉄板ソングもだんだんわかるようになりました。笑

鉄板ソングの一例


WALK THE MOON - Shut Up and Dance

また、曲と曲の間に空白があるとお客さんのテンションが下がってしまうので、
一つの曲を演奏している間に次の曲を決めてタイトルをコールし、演奏が終わったら即座に次の曲が始まります。

200曲を超えるセットリストの中からその場で次の曲が決まるのと、けっこうな音量で演奏している中で次の曲のタイトルがコールされるのを聞き取らないといけないため、慣れるまではちょっとスリリングです。

出張が多い

GBバンドのメンバーとして活動した一年で、いろんな場所に行くことができました:)

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マサチューセッツ州のあるニューイングランド地方にはとても綺麗な海や山のリゾート地がたくさんあって、結婚式にはそういったリゾート地が利用されることがとても多いです。
(日本でいうと、軽井沢や沖縄のビーチにいって結婚パーティーするようなイメージでしょうか)

アメリカの結婚式についてはまた改めて関連記事を書きたいと思っているのでここでは省略しますが、 滅多に行く機会のないような高級リゾート地もたくさん見ることができて、資本主義の国アメリカを感じました。。

レパートリーがすごく増えた

お恥ずかしながらバンドに入る前は洋楽をほとんど聴いたことがなく、全くの白紙の状態から始めて、今ではレパートリーが200曲以上に増えました。

今まで知らなかった曲を弾けるようになったのも単純に嬉しいし、いろんなジャンルの曲を毎週のようにバンドのみんなと演奏したことで、自分の演奏の引き出しが確実に増えたことをひしひしと実感しました。

 

↓ だいすきなバンドのみんな!
https://www.instagram.com/p/BldPyhkjIJn/

Had fun playing music with these amazing people last weekend 🤗 ...#kb3 #giglife #keyboardist #greatteam #beach #kahootz

 

果てしなく長くなってしまいそうなのでこの辺で終わりにしたいと思いますが、
日本ではあまり馴染みのないGBのお仕事について、少しでも伝わっていたら嬉しいです:)!

 

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